BLOG ブログ

  • TOP
  • /
  • ブログ
  • /
  • Coach’s Talk【第5回】陸上選手の貧血について

Coach’s Talk【第5回】陸上選手の貧血について

Coach’s Talkをご覧いただきありがとうございます!
ワールウインド陸上クラブの小学生スクールと長距離ブロック担当の今泉野乃香です(*^^*)

皆さん貧血という言葉は聞いたことがあると思います。
貧血とは、血液の成分である赤血球に含まれる「ヘモグロビン」が低下した状態のことです。
めまいや立ちくらみがしたり、疲れやすかったり、朝起きるのが辛くなったりと、人それぞれで症状は異なります。

陸上競技では主に長距離選手に多く見られ、競技に大きく影響を及ぼします。
今回は貧血について詳しく見ていきましょう。

 

貧血について

調子を落としている選手の多くは、走れない原因が貧血であると気が付かないことがあります。
走れないのは「気持ちが弱いから」とか、「調子が悪いだけだ」と片付けてしまってはいけません。本人だけではなく指導者も変化に気がついてあげることが重要です。

貧血の原因には、ランニングやジャンプ動作による踵への衝撃で赤血球が破壊されること、多く汗をかくことや、栄養が足りていないなどがあげられます。
特に女子選手は、生理の出血により貧血になりやすい傾向があります。
また、無理な減量は食事からの栄養が減り、鉄不足に陥ったり、体重減少による無月経で骨粗鬆症のリスクが高まり疲労骨折を起こしやすくなってしまいます。

 

貧血の基準と種類

貧血かどうかは血液検査により判断されます。
ヘモグロビン(HB)の数値が、一般の方は
男子13g/dl
女子11g/dl
を下回ると貧血と診断されます。
しかし、スポーツ選手は運動量や酸素の運搬量などから、この数値より約1~2g/dl高くないと貧血状態であるといえるでしょう。
このようにヘモグロビンの数値が低い貧血を「鉄欠乏性貧血」と言います。また、ヘモグロビンが数値内でも貧血の症状がある場合「かくれ貧血」といって、血清鉄やフェリチンといった鉄を貯めておく場所の数値が低くなっている可能性があります。

私の場合は定期的に検査をしていましたが一時期貧血が進行してしまい鉄剤などで治療していました。

なにか不調があったら悩んだり、放置せずに貧血かなと疑うことが大切です。指導者に状態を伝えてみたり、スポーツ内科や血液内科などを受診して相談しましょう。貧血と診断されたら、食事の見直しとあわせて症状改善に取り組んでいきましょう。

 

貧血対策はどのようにしたら良いか?

 

◎鉄の吸収率を考えながら食事を選ぶ!

鉄分の多い食品を摂る際に、ビタミンCと一緒に食べることで吸収率がアップします。
《鉄分の多い食品》
レバー、マグロ、アサリ、赤身肉、プルーン…など
《ビタミンCの多い食品》
キウイ、レモン、いちご、アセロラ、ブロッコリー…など
これらの食材をプラスして献立を組んだり、積極的に選んで食事に取り入れてみましょう。

◎カフェインの摂りすぎに注意!

カフェインは鉄を阻害してしまうため、緑茶やコーヒーなどはなるべく食事と一緒に摂らないことをおすすめします。どうしても飲みたい時には、食事と時間をずらしてみるなど工夫してみましょう。

◎鉄分の他にも栄養のある食事を心がける!

ヘモグロビンの材料としてタンパク質や炭水化物もしっかりとる必要があります。貧血=鉄不足と考えられがちですが、ほかの栄養素が不足することでも貧血につながってしまうのです。
食事量的に苦しくて食べられないという場合には、食事で足りない分を間食として摂ると無理なく続けられます。

 

最後に

貧血は診断を受けて治療に取り組み始めて、約3ヶ月後くらいから数値の回復が見られてきます。それは体の中の血液のサイクルが新しくなるまで約3ヶ月と言われているからです。
普段から食事に気をつけることで貧血を予防することができ、自ずとパフォーマンスアップにも繋がります。
競技以上に自分の身体と向き合うことを忘れないようにしましょう。

競技レベルが上がるにつれて、貧血や怪我のリスクは上がります。
ワールウインド陸上クラブでは年齢やレベルや目的に合わせて、基礎練習やトレーニングを行っています。

陸上を楽しく長く続けられることが一番の健康だと考えています。
皆さんも私たちと一緒にワールウインドで、楽しい競技の続け方を見つけていきましょう!

最後までご覧いただきありがとうございます。
引き続き陸上競技に役立つ発信をしていきたいと思います。お楽しみに!

以上、今泉がお送りしました(^^)

2024.10.02